Odedさんの"Ever Improve"の完全版がついに刊行されました。
すでに発行されていたLimited Editionと比べると倍近い厚みになっています。
TOCをプロダクションマネジメントのエリアで使うための世界最新の知識が詰まっています。
基本的に本書は、ゴールドラットスクールが全世界でコンサルタント教育に使っているテキストを本の形にまとめたものですので、TOCを使って改善を行うすべての人に有益な情報が満載です。
しかし残念ながら、まだ英語版しか出ておりません。
(まえがきには、日本語に翻訳する計画があると書いてあります。)
余談;小説『ザ・ゴール』は、もともとは1984年に書かれた本です。その後、2回の改訂を加えられており(現在の英語版は第3回改訂版)、さらに改訂をするという話も聞かれますが、日本語版はいまだ第1版の内容に基づくものです。
残念ながら、最新のTOCの知識を得ようとするならば、英語で得るしかないのが現状です。
我々コンサルタントは、それを日本語で伝えるための努力もしていかなければ、日本のTOCはいつまでも世界から遅れたままです。それは、当然得られるべき成果を得られていないという点で、国際競争力の上でも非常に問題があります。
ということで、拙い英語力ながら、内容の紹介をいたします。
本書ご購入の参考になれば幸いなのです。
目次
まえがき
イントロ、改善のためのマネジメント
パート1、TOCのシステムアプローチ -The U-Shape
パート2、プロダクションとオペレーションマネジメントの現実
パート3、MTO(受注生産)におけるTOCソリューション
パート4、MTO(受注生産)におけるTOCソリューションの導入
パート5、MTA(補充生産)におけるTOCソリューション
まとめ
先行発売されたLimited Editionには、パート3までの内容が記載されていました。
この完全版ではパート4、パート5が新たに追加されました。
パート3までの内容は、ゴールドラットスクールのS-DBRワークショップで使用されているテキストの内容を本にしたものですので、テキスト(PPT)の行間を補い、内容を深く理解するために非常に有益でした。
パート4で導入方法について書かれてるということなので、完全版を楽しみにしていました。
(Limited Edition発行当時、Odedさんに「パート4を楽しみにしている」といったら、困ったような顔をしたのが印象に残っていますが^^;)
さて、そのパート4ですが。。。まだ読んでいる最中なので、一通り読んでから再度コメントをしたいと思います。
少しお時間ください。
(追記2010年8月9日)
パート4ではMTOソリューションの導入について詳細に書かれています。
まず全体的な話として、「TOC導入の方法論」から始まります。
TOCの導入方法というのは、一般的にどういうものなのかが詳しく書かれています。
すなわち、TOCの導入手順です。
これはプロダクションマネジメントに限らず、プロジェクトマネジメントなどでも同様の手順が必要ですので、TOCを導入しようとするかたすべてに有益な情報と言えます。
我々コンサルタントを含めて、TOCで実際に成果を出したいと考えている人たちが、最も欲していた情報がこれです。
TOCを導入しようと試してみたことがある方は、身にしみてわかると思いますが、TOCはソリューションそのものはものすごくシンプルで、”常識”的なことをするように決めるだけの話なのですが、これを実際にシステムとして定着させることは大変難しいのです。
多くの方がTOCの書籍やセミナーを受けただけでは、本来得られるべき成果を得られないのはこのためです。
この章では、その最も重要なポイントを丁寧に書いてくれています。必読です。
一般論に続いて、MTOソリューションの具体的な導入方法をインジェクションごとに丁寧に解説してあります。
あまりの情報量に、唸ってしまいました。
この本に沿ってをきちんと導入できれば、確実に成果が得られる内容です。
重要なのは、きちんと理解して、実行すること。
パート5では、MTAソリューションの全体像を紹介しています。
MTAとは、在庫生産(MTS)環境における大きな困りごとである、”欠品”と”過剰在庫”の問題を解決するためのTOCソリューションです。
現実の世界では、MTOとMTSの混在環境が多いことも考慮し、そのような混在環境、あるいは、パーツや半製品を在庫として生産しておき、注文に応じて組み立てだけを行って製品とするような受注生産(MTO)環境での、このソリューションの適用方法についても言及しています。
インジェクションは、MTOソリューションと共通のものが多いため、MTOソリューションを十分理解した上で、MTAソリューションに挑むことをおすすめします。
また、このMTAのソリューションは、サプライチェーンマネジメント(SCM)の入口となっており、TOCのSCMソリューションのインジェクションの一部ともなっています。
SCMソリューションについては、また別途説明するとのことですので、楽しみに待つ事にしましょう。
SCMソリューションのワークショップは、2008年9月に福岡でOded Cohen氏自らが講師をして行われました。
SCMソリューション全体を構成するインジェクションは、この本によれば、その当時のものとは構成が変わっています。よりわかりやすい構成に整理されています。
TOCコンサルタント、TOCを導入しようとしている方、運用している方などなど、すべてのTOC peopleにとって、必読の本であると、あえて言ってしまいましょう.
多くの人に読んでもらうために、日本語版の翻訳はクリティカルな条件ですね。
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