CCPMでは、納期を確実に守るために、プロジェクトバッファーを監視する。
プロジェクトバッファーの残り時間が少なくなればなるほど、納期を守るための保護が少なくなる。
納期を確実に守るためには、プロジェクトの進捗状況にあった適切な保護時間を、常に保持していなければならない。
CCPMでは、プロジェクトバッファーの減り具合をプロジェクトの進捗状況にあわせて色分けによって識別することを提案している。
緑色の範囲(グリーンゾーン)はそのまま進めて大丈夫そうなエリア。
黄色の範囲(イエローゾーン)は、それ以上バッファー消費しそうか調査が必要なエリア。
赤色の範囲(レッドゾーン)は納期順守が危険な状況であり、対策をとる必要があるエリア。
消費率が100%を超える範囲は、黒色(ブラックゾーン)とし、すでに納期遅れの可能性が顕在化しており、早急に対策が必要なエリア。
バッファーが赤色以上の範囲(レッドゾーン、ブラックゾーン)に入ったら、バッファーを十分な量まで回復する対策とる。
CCPMの標準的な知識では、「イエローゾーンの時に調査をし、レッドゾーンに入ったら対策を実行する」ということになっている。
しかし、イエローゾーンに入ったらすぐにレッドゾーンに入ってしまう場合もあるだろうし、イエローゾーンを経ずに突然レッドゾーンに入る場合もある。
バッファーの回復策を、困ってからその場で考えていたのでは間に合わない。回復策のリストは、計画の段階から作成しておく必要がある。
計画から実行管理を通じて、実際にバッファーの回復策が必要な状況にいたるまでの間に、さまざまな対策案が見つかっていることが多い。その数ある回復策の中から、最も適切な対策を講じることが良い。
例えば、計画時点で、もし、リソースが必要なだけ十分に配置できるのであれば、リソースの競合は起こらない。すなわち、クリティカルチェーンは発生しない。したがって、クリティカルパスとクリティカルチェーンの差の分だけ、バッファーを回復する選択肢があることがすでにわかっている。
また、例えば、計画時点で依存関係があると仮定したタスク間に依存関係がないことが実行段階でわかったのであれば、十分なリソースがあれば、タスクを並列で処理できる可能性があることがわかる。
こうしたバッファー回復(期間短縮)のアイデアをリストに保存しておく。
リストには、アイデアの内容と期待されるバッファー回復日数のほかに、実行するための障害、実行された場合に想定されるリスク(特に品質やコストに対する影響)をあらかじめ記載しておくことが良い。
このリストは、実行段階を通じて常に見直されていく動的なリストである必要がある。
常に前向きに、よりバッファー消費を少なくプロジェクトを終わらせることは、プロジェクトのマネージャーにとっても、プロジェクトのオーナーにとっても有益である。
バッファー回復策リストの動的な更新は、クリティカルチェーンという制約(Constraints)を実行管理段階を通じて徹底活用する上で非常に重要である。
バッファーのレッドゾーン対策については、多くの場合「赤になったから対策を打たなければ・・・」と反応的(消極的)な対応が中心になりがちだが、「制約(Constraints)を徹底活用するのだ」という主体的(積極的)な姿勢が成果を生みだす。

最近のコメント