◆評価基準について
個々のプロジェクトにCCPMを適用する例がすこしずつ増えてきているが、CCPMによって何がどのように改善されたかを明確に答えられるだろうか?
よく見かけるのは「あるプロジェクトが計画期間に対して25%短縮して完了した」というような成果である。
「あるプロジェクトが計画に対して25%短くなった。なぜならば、CCPMを導入したからだ。」という因果関係がなりたっているという主張であるが、このロジックは本当に通っているだろうか?
一つや二つのプロジェクトだけでは、なんとも因果関係が弱い。
「CCPM導入後のすべてのプロジェクトの平均値として、計画期間に対して25%短縮して完了している」というならば、それは間違いなくCCPMの成果と行ってよいだろう。
このように因果関係を証明するためには、データを取っていなければならないということになる。
CCPMの導入に限った話ではないが、何がどのように改善されたのかを適切に評価できる数字を記録する必要がある。
ゴールドラットスクール発行の図書『Project Management The TOC Way』の中で、Oded Cohen氏は2つの指標の追跡を提案している。
「納期遵守率」と「スループット・ダラー・デイズ」である。
後者はTOCで用いられる特有の指標である。
「スループット・ダラー・デイズ」は、「プロジェクトの価値(金額)」に「遅れ日数」を乗じたもので、納期遅れによる悪影響を表現したものである。プロジェクトの価値が高いほど、遅れ日数が大きいほど、指標値が大きくなり、悪影響が大きいことを示す。
企業によっては、このほかに「残業時間」などを評価指標としているところもある。
いずれの指標を採用するにしても、改善への意欲を継続させるためには、何を改善するのか目的を持つことは当然のこと、それだけでなく「測り」、「評価する」ことが重要である。
◆バッファーマネジメントについて
個々のプロジェクトの目標を達成することが大事なのは当然だが、次のプロジェクトはもっとうまく行いたい。
そのために現在のプロジェクトから得られた教訓をフィードバックしたいと皆考える。
しかし、これがなかなか上手くいかないという声を聞く。
プロジェクトの反省やフィードバックは、プロジェクト完了後にわざわざ会議を開催して行おうとしている例が多い。
しかし、プロジェクト完了後にはすでに次のプロジェクトが開始されていたり、記録が不十分だったり、過去のことをいちいち正確に覚えていられなかったりなど、十分なフィードバックをできないままにやり過ごしてしまうことが多い。
TOCでは、継続的改善のための情報を日常的にフィードバックするための仕組みを提供している。
CCPMでは、プロジェクト実行中毎週1回、継続的改善のためのフィードバックの機会を作ることを推奨している。
継続的改善のために最も重要な情報は何だろうか?
この問いに答えない”反省”をしても意味がない。
TOCではシステムのパフォーマンスを左右するもっとも重要なポイント、すなわち制約(Constraints)の徹底活用のための情報にフォーカスする。
意味のないデータを集めても、マネジメントの時間を無駄にするだけである。
もっとも大事なデータだけをピンポイントで集める。
制約(Constraints)の徹底活用のための情報はバッファーをモニターすることで得られる。
なぜならば、バッファーは制約(Constraints)を守るためにおかれているからだ。
バッファーの減り具合を監視することで、制約(Constraints)に悪影響を及ぼしている事項を特定することができる。
CCPMでは、プロジェクトバッファーの減り具合を監視し、適時その消費原因をサンプリング調査し、分析する。
これによって、プロジェクトの進行中にフィードバックを行い、速やかに改善を行うことが可能となる。
プロジェクトがすべて完了した後で、次のプロジェクトに向けてフィードバックするのでは遅すぎる。
プロジェクト進行中からタイムリーに改善を行うことができるのが、バッファーマネジメントを用いた継続的改善のメリットであり、またそれがCCPMのメリットでもある。
CCPMを運用してバッファーが管理できていいるのであれば、これを継続改善に活かさないのはもったいない。

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